2021年10月03日

近藤ようこ先生の個展「南方綺譚」レポート

南方綺譚2021年10月2日〜17日に近藤ようこ先生の個展「南方綺譚」が東京の青山にあるビリケンギャラリーで開催されています。9月10日、『コミックビーム』2021年10月号で「高丘親王航海記」が完結しました。これを記念してのものです。
また、10月12日には待望の4巻が刊行されますが、いち早くギャラリーで販売されています。しかもサイン付き。

「更紗」や「テラス」に白人の女性が登場します。南蛮時代の女性の衣装は時々描かれているように思えます。「午睡」の王子様(?)の衣装など特徴的です。また、お着物にピンク〜赤みがかった色が多いのですが、お好きな色だそうです。

モノクロの原画はちょっと変わったおもしろいページをピックアップされています。原作ではピンと来なかった場面なので、鏡のページに私は注目しました。この時代の中国の鏡はどうなっているのかわからないので、ネットを駆使して探し出して描かれています。探すのは大変でも、中国はまだ古くからのものが残っていて、他の国の過去の時代を描くより調べやすいとのこと。

しかしこのコミックビームの表紙を出してしまうとは…本当に先生は画集を出すおつもりがないのだなぁと。出してください…。

ビリケンギャラリー●モノクロ 原稿 15枚

○上段右から
「高丘親王航海記III」p125〜127
「高丘親王航海記IV」p74〜75
「高丘親王航海記III」p51、p50

○下段右から
「高丘親王航海記IV」p40〜42、p96〜98、p182〜183

●カラー 大 10枚 左から順に
「廃園」水彩絵具、墨、パステル
「更紗」水彩絵具、墨、色えんぴつ
「虎の女」アクリル絵具、墨
「陳家蘭」アクリル絵具、墨
「ラフレシア」(コミックビーム表紙画)水彩絵具、墨、筆ペン
「午睡」水彩絵具、墨、色えんぴつ
「スイレン」アクリル絵具、墨
「高丘親王航海記」(コミックビーム表紙画)
「テラス」水彩絵具、墨、パステル
「蓮」水彩絵具、墨、パステル

ビリケンギャラリー●カラー 中小 8枚 左から順に
小作品@〔キツネ〕
「紙風船」一筆箋原画 水彩絵具、墨
小作品A〔ネコ〕
小作品B〔少女とネコ〕
小作品C〔少女と羽根〕
小作品D〔人魚〕
小作品E
小作品F〔虎の女〕


日時:2021年10月2日(土)〜17日(日)12:00〜19:00
(定休日:10月4日、5日、11日、16日)
場所:ビリケンギャラリー
〒107-0062 東京都港区南青山5-17-6-101
TEL:O3-3400-2214 FAX:03-3400-2478
地下鉄表参道駅B1出口より7分
ホームベージ


2021.10.03. 14:47 | イベントレポート

2021年09月12日

近藤ようこ先生の個展「南方綺譚」がビリケンギャラリーで開催

南方綺譚2021年10月2日〜17日に近藤ようこ先生の個展「南方綺譚」が東京の青山にあるビリケンギャラリーで開催されます。9月10日、『コミックビーム』2021年10月号で「高丘親王航海記」が完結しました。これを記念したものです。10月12日には待望の4巻が刊行されます。漫画の原稿とあわせて描きおろし作品も多数展示されるそうです。「高丘親王航海記」第4巻の先行販売ならびに既刊本の販売も。

去年の9月にも個展を開催され、コロナ禍まっただ中でおそるおそる、でもどうしても行きたくて行きました…。今度も行きます。「高丘親王航海記」4巻、予約していたんですが、少し早いのでこちらで買おうかなと思います。


日時:2021年10月2日(土)〜17日(日)12:00〜19:00
(定休日:10月4日、5日、11日、16日)
場所:ビリケンギャラリー
〒107-0062 東京都港区南青山5-17-6-101
TEL:O3-3400-2214 FAX:03-3400-2478
地下鉄表参道駅B1出口より7分
ホームベージ


2021.09.12. 14:27 | イベント

2021年04月13日

『コミックビーム』2021年5月号から「高丘親王航海記」の新章が開始

comicbeam202105.jpg2021年4月12日、「高丘親王航海記」IIIが刊行されました。同日発売になった『コミックビーム』2021年5月号から新章がスタート。表紙も飾っています。

「高丘親王航海記」の3巻は空海和上と高丘親王が夢で出逢うところから始まります。この目で空海が生きている人ではないことがわかるのが「画力」というものだと「あとがき」南伸坊さんが書かれていますが、私もそう思いました。鮮やかな色の装幀は珍しいですが、この中国〜アジアを巡る不思議な旅にはとてもにつかわしい。

『コミックビーム』に掲載されている新章はスマトラ島が舞台です。ラフレシアのまがまがしいピンクが近藤先生が描くと、妖しげではあるものの不思議と柔らからい色に見えます。ここから物語はクライマックスに向かっていきます。まだ先ですが楽しみですね。



2021.04.13. 10:24 | 雑誌掲載情報

2021年01月17日

「兄帰る」新装版が発売されました

兄帰る 新装版2021年1月17日、「兄帰る」の新装版が発売になりました。この作品は2005年〜2006年に連載されたもので、wowowで実写ドラマ化もされました。再読してみると、やはりしみじみいいですね…。新装版のあと書きで「平凡な人たちの地味な人生(……)つかみどころのない明るいグレーゾーン(……)やっぱり私に一番合っていると思います。」とご自身で書かれていて、何度もうなづいてしまいました。

最近指摘されることが多いのですが、私は漫画に「やさしい世界」を求めるようなのです。SFやファンタジーはどんなお話でも平気なのですが、現代物については特にその傾向が強い。でも、ふわふわしているのは好きではない。近藤先生の現代ものが私にはピッタリ合うようです。「漫画ではあまり求められない世界」とのことですが、きっと私以外にもたくさんの人が求めているのだと思います。

イースト・プレス社では初めての単行本となります。イースト・プレスのウェブマガジン、matogrossoで第1回が全部読めます。
2021.01.17. 18:58 | 単行本発売情報

2020年12月18日

「このマンガを読め!2021」は「高丘親王航海記」が第1位です。

freestyle46 表紙2020年12月17日発売の『フリースタイル』vol.46にて発表された「このマンガを読め!2021」に近藤ようこ先生の「高丘親王航海記」(澁澤龍彦原作)が輝きました。同じ年間ランキング「このマンガがすごい!」に比べると「このマンガを読め!」は通というか玄人好みの作品が多いのですが、それでも第一位はすごい。これは通をうならせる芸術性と、「おもしろさ」というかエンターテイメント性も高いという両面が際立っていたのかなと思いました。

長年、近藤先生の作品は「このマンガを読め!」では常連という感じでしたが、ようやくの1位獲得です!おめでとうございます!
2005年「水鏡奇譚」第10位
2014年「戦争と一人の女」第3位
2015年「五色の舟」第2位
2017年「死者の書」第7位
2020年「見晴らしガ丘にて それから」第4位
2020.12.18. 00:00 | 受賞