2024年10月06日

近藤ようこ先生の個展「兎と鰐」を拝見しにビリケンギャラリーに行ってきました


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2024年10月5日(土)、小雨降る中、青山のビリケンギャラリーに行ってきました。2年ぶりに開催された近藤ようこ先生の個展を拝見しましたのでレポートです。写真はご承諾をいただいていますが、タイトルや画材など、会場で急いでメモったのでミスがあるかと思います。ご指摘あればすぐに修正します。

今回のテーマは「兎(うさぎ)と鰐(わに)」です。先生が「鰐は兎に騙された鰐鮫のことです」と個展の紹介に書かれています。

「兎」は「古事記」の「因幡の白兎」のウサギです。一方「鰐」は、は虫類の「ワニ」ではなく「サメ(鮫)」のことです。古事記にアフリカのワニが出てくるわけはないので。「サメ」と呼ぶのは関東以北の地方が多くて関西では「フカ」、山陰地方、特に出雲地方では「ワニ」と呼ぶそうです。

兎と鮫がたくさんいます。また、たこや水中に住む妖怪や半魚人、イカかな?タコかな?の触手がたくさんありました。先生は触手を描いていると楽しくなってしまうそうです。

今回はマンガ原画はなく全部描きおろしの新作のカラー絵です。水彩、アクリル、鉛筆など。絵はB4やA3といった大きいものが10点、2枚組セットの中くらいのが2点、A5くらいの小さいものが11点の点数としては23点、絵としては25枚でした。

●大きな作品と2枚組セット


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右から

大1:「海坂(うなさか)」〔水彩・B3〕

リュウグウノツカイと女性。この女性は豊玉姫ですね。

豊玉姫と山幸彦のお話ですが、ざっくり言うと、お兄さんの海幸彦から借りた釣り針を落とした山幸彦が竜宮に降りて豊玉姫と出会い結婚。しばらくは幸せに暮らしていましたが、釣り針を探しに来たんだっけ?と豊玉姫の父の豊玉彦の力を借りて釣り針を見つけて地上に戻る。それを追って豊玉姫も地上に来る。でも子供を身ごもっていたので、中を覗かないようにと行って産屋にこもる。でも覗かないでと言われたら覗くのが世の常ですね。

山幸彦に本来の姿(鮫)を見られてしまった豊玉姫がそのことを恥ずかしく思い、海と陸を行き来して子育てすることを諦め、子供を陸に残すことにした。その際、海坂(うなさか・海と陸の境)を行き来できないようにふさいだ、というお話に基づいて、“ふさがれてしまった行き来できるところ”の表現だそうです。私には海の中にある海と陸の通り道のように見えました。

大2:「おこじょのロープ」

オコジョと女性。モフモフです。〔アクリル・墨・B3〕

アーミン(オコジョ)の毛皮は貴重で、ヨーロッパの王侯貴族が身につけたもの。
→こちらが参考になりました。「王族のマントの毛皮の正体は何?白地に黒の点?意外な正体とは?超解説!」

あの点々はオコジョの尻尾なのか。近藤先生は尻尾だけてなく本体もたくさんいる絵を描かれました。かわいい。でも一着につき1000匹使うとか。今はもう動物愛護の観点からなかなか考えられませんけれども、かつてはそういうものがあったということなんですね。


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右から

大3:「鮫人」〔水彩・アクリル・墨・B3〕
この前開かれたビリケンギャラリーの合同展で出されたのが鮫で、お気に召したそうです。額縁ですが、私には掛け軸の絵のように見えました。

大4:「うさぎ天」〔水彩・アクリル・パステル・A3〕
下が兎。上も兎ですが真ん中の顔だけ人間です。

中1:〔おこじょと赤いコートの女性〕
「おこじょのロープ」と同じモチーフ。つぶらな瞳のオコジョがいます。かわいい‥

中2:〔お魚と女性〕もう片方に植物(葉っぱ)があります。


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右から

大5:「二人」〔水彩・パステル・A3〕
ブルーの兎のかぶりものを頭にかぶった女性と頭以外を着ている人の組み合わせ。頭だけの女性が下着なのがエロいけれどかわいい。    

大6:「水怪」〔水彩・アクリル・A3〕
水の妖怪と書いて「水怪」。水に棲む妖怪なんでしょうけれど、両方とも女性ですね。水色の紙と首/腕の輪が目を引きました。

大7:「灯台」〔水彩・パステル・A3〕
灯台と魚人?やはり女性です。美しいですね。

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大8:うさぎ浴〔水彩・B4〕
今回の個展のメインとなった絵。
もふもふと気持ちよさそうに女の子が寝ています。もう一人の女の子はまだ目が覚めている‥けど靴下と靴が落ちてますね。でも兎の目が悪い目をしている‥

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向かいの壁なので 左からになります。

大9:うさぎ浴2 〔鉛筆・水彩・B4〕
前の「うさぎ浴」の続き

大10:豹妓〔水彩・アクリル・パステル A3〕
ヒョウ柄なのに触手の女性二人です。触手がお好きなことがよく伝わってきます‥

●小作品シリーズ
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兎、鮫、タコ/イカ、鳥、チンアナゴ‥の女性。触手柄のお着物やバニーガール、兎を抱いた女の子‥
描かれているのは女性と動物と想像上の動物ですね。

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近藤先生もお元気そうで、よかったです。

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雨がふっていたので、外には濡れた兎がいました‥。ちょっと寂しげ。

近藤ようこ個展「兎と鰐」
会期:2024年10月5日〜10月20日 12:00〜19:00(月火休み ※10月14日(月)祝日営業)
会場:ビリケンギャラリー(東京都港区南青山5-17-6-101)
2024.10.06. 12:19 | イベントレポート