梨木香歩「家守綺譚」(新潮社)
2004年に刊行された本作品。物語の舞台がどこかは本文には書かれていませんが、京都の山科あたりではないかと言われているそうです。時代については描かれていませんが、明治時代の雰囲気です。先生の絵を見ると女性が髷を結っているので、当たりでしょうか。
主役とも言える「家」については梨木さんの家がモデルになっているとのお話もあります。間取図は梨木さんが細かい絵を作成し、近藤先生がそれを参考に漫画にしてわかりやすいものにしたそうです。
原作者・梨木香歩さんは昭和34年生まれ。近藤先生が昭和32年生まれなので、ほぼ同世代です。先生が再びご存命の方の作品を手がける気になったことを嬉しく思います。
私も物の怪というか、木や花や自然に宿った精霊と人間が隔てなく地続きで暮らしている日本の物語が昔から好きです。スピリチュアル好きな人間ではないと思いますが、当たり前のように目に見えないものは存在すると思っています。近藤先生にぴったりの原作で、これからがとても楽しみです。


