
近藤先生は2度の個展でこの作品をテーマにした絵を出品されています(2015年9月の「物語る絵」と2017年2〜3月の個展「物語る絵2」)。お気に入りの作品だったのだと思われます。
本作の書籍版には連載で発表されたカラー絵が4枚収められています。三島の出会う3人の女性のそれぞれの雰囲気がよく出ている絵で、発端になる女性と、つないだ女性とラスボスのような女性の3人の違いがそれぞれよくわかります。でもみんな怖い。あと、カラーの蟇が怖いです。
また、装丁の紙が相当凝っていて、「ギンガムGA 極・紫」という紙だそうです。ということはこの色は紙の色そのままで、銀の線をのせているのでしょう。紙の本を買うという体験はこれから貴重になっていくのかもしれません。こういう「手触り」が大事になるのでしょう。
「蟇の血」