2018年04月29日

青林工藝舎『アックス』vol.122に近藤ようこ先生と齋藤なずな先生の対談が掲載

ax 1222018年4月23日発売の青林工藝舎『アックス』vol.122に近藤ようこ先生と齋藤なずな先生の対談が掲載されています。齋藤なずな先生の新刊「夕暮れへ」の刊行を記念して行われた対談です。「夕暮れへ」刊行時に近藤ようこ先生が帯を書かれています。

齋藤なずな先生は40歳でデビューしたという遅咲きの漫画家さんです。もともとイラストレーターだったそうで、画力が確かなのはそこからでしょう。でもイラストと漫画は違うので苦労されたお話もされています。この画力の確かさが現れているのが、一人一人登場人物の顔が全く違うところです。この点を「夕暮れへ」のあとがきで呉智英先生が指摘されていますが、実は理由があることが対談で明らかにされています。意外な理由です。

「セキレイインコ」を見て突然涙を流す、というシーンは実話だそうです。これって近藤ようこ先生の「かいつぶり」にちょっと共通していますよね。親の死に直面しているという心情的に共通しているシーンではありませんが、川の「鳥」にふと心を動かされるというところが、ちょっと。

「トラワレビト」は本当に怖いお話なのですが、お母さんの妄想が突拍子もないようで、つじつまがあっていて、こういうところリアルだなぁと思って読んでいたら、そこが実話なんだ!と驚くようなところがありました。これくらい吹っ切れた毒親話もあまりないですよね。

「ぼっち死の館」で絵が劇画調になっていて怖いですがその理由も。この話、ものすごくおもしろくて、やっぱりリアルだなぁと思いました。対談でもその辺が語られています。「ぼっち死の館」はシリーズ化され、『ビッグコミックオリジナル』2018年1月増刊号に掲載されています。更に続きが夏に予定されています。

夕暮れへ
近藤先生は齋藤なずな先生(72歳)よりずっとお若いのですが、「トラワレビト」や「ぼっち死の館」の登場人物たちより少し若い、ちょうど自分たちの年齢の人が読むのではないかとおっしゃっていて、そうかもしれません。私はもう少し年下なので、まだあまりピンと来なくて、「トラワレビト」のお母さんでさえ、滑稽だと思ってしまえるほど距離感がある。でも、この先きっとこの本はまた読みたくなる、と思ったので、大切にもっていようと思いました。

青林工藝舎アックスストア アックスvol.122
夕暮れへ

2018.04.29. 01:58 | 雑誌掲載情報

2018年03月19日

近藤ようこ先生が都内イベントに登壇。ライブ配信もあります。

2018年3月25日、東京都世田谷区にある編集工学研究所にて開催されるイベント「DONDEN祭vol.1『うしろの正面だあれ』」に近藤ようこ先生が登壇されます。

近藤ようこ先生と評論家・安藤礼二先生が折口信夫「死者の書」、説経節、坂口安吾を手がかりに、日本の芸能、闇のドラマの秘密に迫るイベントです。直接会場に行ってお話を伺うほか、Youtubeで無料配信されます配信場所はこちら

           記
タイトル:DONDEN祭vol.1「うしろの正面だあれ」
日時:2018年3月25日(日)15:00〜18:00
場所:編集工学研究所 本楼(東京都世田谷区赤堤2-15-3)アクセス方法
ゲスト:近藤ようこ、安藤礼二
料金:5000円
イベント詳細・会場での聴講のお申し込みはこちらです。

また、近藤ようこ先生の著作についても触れていくことになるようです。以下、引用になります。

イベント名の由来にもなった「DONDEN読み」とはマンガを出発点に、新書・文庫とつなげながら知の奥へ読みを深める読書法。近藤ようこさんのキーコミックを起点に、DONDEN読みを実践してみましょう。サンプルはこちら
今回のキーコミックは次の4つの書籍です。
・『ルームメイツ』(小学館文庫)
・『移り気本気』(青林工藝舎)
・『水鏡綺譚』(青林工藝舎)
・『蟇の血』(ビームコミックス)

回答される方はメール本文に
・キーコミック、新書、文庫の書名・著者名および出版社
・キャッチコピー(15文字以内)
・DONDEN読み解説文(200〜240字)
を記載の上、3月21日24時までに[isis_editschool@eel.co.jp]宛てに、件名「DONDEN読み」でお送りください。
当日はいただいた回答の中から、近藤ようこさん、安藤礼二さんにいくつかの作品を選んで指南していただきます。また、優秀作は近畿大学でDONDEN読みパネルとして展示させていただきます。


編集工学研究所は「所長松岡正剛のもと、社会のさまざまな事象に編集工学を応用し課題解決を行う会社」だそうです。「DONDEN祭」は「マンガ、新書、文庫をつなげて読むことで作品を掘り下げるイベント」だそうです。

近藤ようこがゲスト出演するイベント「DONDEN祭」開催、ライブ配信も
2018.03.19. 19:14 | 雑誌掲載情報

2018年02月11日

「蟇の血」(田中貢太郎原作)が刊行されました。

蟇の血2018年2月10日、田中貢太郎原作の「蟇の血」がKADOKAWAより刊行されました。『月刊コミックビーム』2017年9月号から2018年2月号まで連載された作品です。大正から昭和初期にかけて活躍した怪談作家・田中貢太郎による小説を漫画化したもので。高等文官試験を控えた青年・三島譲が、気晴らしに訪れた海岸でどこかはかなげな女性と出会い、ともに暮らすようになりますが、不思議な出来事に巻き込まれていきます。怖くて不気味で奇妙な作品です。

近藤先生は2度の個展でこの作品をテーマにした絵を出品されています(2015年9月の「物語る絵」と2017年2〜3月の個展「物語る絵2」)。お気に入りの作品だったのだと思われます。

本作の書籍版には連載で発表されたカラー絵が4枚収められています。三島の出会う3人の女性のそれぞれの雰囲気がよく出ている絵で、発端になる女性と、つないだ女性とラスボスのような女性の3人の違いがそれぞれよくわかります。でもみんな怖い。あと、カラーの蟇が怖いです。

また、装丁の紙が相当凝っていて、「ギンガムGA 極・紫」という紙だそうです。ということはこの色は紙の色そのままで、銀の線をのせているのでしょう。紙の本を買うという体験はこれから貴重になっていくのかもしれません。こういう「手触り」が大事になるのでしょう。

「蟇の血」
2018.02.11. 01:39 | 単行本発売情報

2017年12月31日

「怪人 江戸川乱歩のコレクション」に近藤先生の「お勢登場」が収録

お勢登場2017年12月26日に発売された「怪人 江戸川乱歩のコレクション」に近藤ようこ先生が乱歩の初期短編「お勢登場」の漫画を描き下ろされています。「お勢誕生」は書生と不倫する妻をもつ男の悲劇を描いた作品で、池上遼一先生も「近代日本文学名作選」というシリーズでマンガ化されている名作です(初出『ビッグコミック』1996年5月10日号)。

悪女お勢の妖艶さや恐ろしさは池上先生の美しい筆致から伝わりますが、近藤先生の作品からはお勢の「迷い」や格太郎の心許なさがより伝わってきます。長持ちをあけたときの格太郎の顔が怖いのは同じです。怖すぎます。

怪人 江戸川乱歩のコレクション「怪人 江戸川乱歩のコレクション」は新潮社とんぼの本シリーズのビジュアルブック。池袋の旧江戸川乱歩邸にのこる乱歩のコレクションを紹介しています。乱歩はもともと収集魔であり整理魔で、我々オタクの元祖のような存在です。立教大学が管理しているこの建物に私も一度行ってみたいです。

「怪人 江戸川乱歩のコレクション」(新潮社)
近藤ようこが江戸川乱歩の素顔に迫るムックに登場、「お勢登場」をマンガ化(コミックナタリー)



2017.12.31. 02:02 | 雑誌掲載情報

2017年12月20日

「怪奇まんが道」に近藤ようこ先生の章が収録されています

2017年12月19日に発売された「怪奇まんが道 奇想天外篇」に近藤ようこ先生の章が収録されています。「怪奇まんが道」のシリーズは2冊目。漫画家のインタビューから、その人の生涯を漫画に描きおこすというもので、2017年10月20日から11月9日の期間、ホーム社のWebマンガサイト「Z」に発表されていた作品です。

このルポルタージュ、近藤先生の絵の特徴をよくとらえて、パッと見た瞬間は近藤先生ご自身の絵かと思ってしまいました。他の漫画家の方の絵もそっくり。器用な方なんですね。

近藤先生が高橋留美子先生と高校で同級生、そして同じ漫画研究会に所属だったお話はよく知られていますが、その後近藤先生がどういう道のりを経て現在に至ったのか、よくわかる作品です。私は近藤先生のエロ劇画時代の作品が大好きなんです。とても瑞々しいのに、不思議と痛々しくない。1970年代のアングラによくある雰囲気だけの作品ではまったくないのです。当時から気持ちに刺さる作品を描かれていたのだなぁと思います。それから「見晴らしガ丘にて」の糸井重里さんの書評、以前から知ってはいましたが、まだ手に入れられてないんです。頑張ろう。「本物」なので見ている人は見てるのだなぁと思いました。
諸星先生もお一人で描かれてるんですね。近藤先生もそうですが「孤高の」という言葉がよくお似合いなお二人です。
近藤先生のファンなら必携の単行本です。

「怪奇まんが道 奇想天外篇」宮ア 克〔原作〕,あだちつよし〔漫画〕
2017.12.24 B6判 192p ISBN978-4-8342-3261-5
2017.12.20. 16:16 | 単行本発売情報