2025年11月30日

横浜ボートシアター「新版 小栗判官・照手姫」のアフタートークに近藤ようこ先生が登壇

2025年11月26日(水)〜30日(日)、座・高円寺で横浜ボートシアターの「新版 小栗判官・照手姫」が上演され、11月28日(金)のアフタートークに近藤ようこ先生が登壇されました。

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近藤先生は1985年11月に新宿THEATER TOPSのこけら落とし公演で横浜ボートシアターの「小栗判官・照手姫」(脚本・演出:故・遠藤啄郎氏)をご覧になり、そこから“再生のエネルギーを得た”とあとがきに書かれています。そして、1990年に描き下ろしで白泉社から「説経・小栗判官」を上梓されています。
「説経 小栗判官」3種類。

その後、1986年5月に「マハーバーラタ・若きアビマニュの死」を横浜船劇場でご覧になったお話も今回のトークショーで出ました。

「新版 小栗判官・照手姫」は20年ぶりに2023年11月に藤沢・遊行寺本堂、東京・シアター代官山で初演、 2024年7月にも藤沢・遊行寺本堂と牛込箪笥区民ホールで上演され、今回が3年目となります。

横浜ボートシアターの歴史
当時の船劇場の様子
横浜ボートシアターの公式Youtubeチャンネル

座・高円寺


舞台は14:00開演。休憩15分を入れて16時間55分頃まで。その後少し休憩が入り、17:10頃から17:40頃まで行われました。壇上には、劇団代表の吉岡紗矢さん、劇団員の奥本聡さん、松本利洋さんが上がられました。司会進行は女優・演出家・劇作家の西山水木さん。

以下、メモと記憶から概要ですが、近藤先生がお話されたことのみ書きます。

●横浜ボートシアター創生期の「小栗判官・照手姫」を観た印象

説経節は学生時代に読んでおもしろいと思った。今から40年くらい前で、当時はインターネットのなかった時代で、映画や催し物などいろいろな情報は雑誌の『ぴあ』に載っていた。演劇はあまり観たことがなかったけれど、ほかの情報を探していてぺらぺらめくっていたら、横浜ボートシアターという劇団が「小栗」をやるというのを見て、あれは演劇には向かないんじゃないかと思った。でも、どういうものなのかと新宿のシアタートップスという小劇場のこけら落としで上演されたのを観に行ってびっくりした。

それは、説経節のテキストそのままをやっていたこと。例えば現代語訳するとかアレンジなどして現代劇として上演するのではなく、本当に古い言葉をそのまま演じていたので、こういうやり方があるのだと思った。いろいろな場所で上演しても、それぞれ合う。それは物語に普遍性があるから。こういうことが出来るのなら、漫画でも出来るのかもしれないと考えた。

それで、テキストに忠実に漫画で再現してみた。ボートシアターの舞台を観て確かわりあいすぐにとりかかったものの、連載ではなく描き下ろしだったので、自分が描きたいときに描くというか。描く準備を始めたのが平成が始まった頃だった。

●横浜ボートシアターの船劇場の印象
自分が船劇場に行ったのは「マハバーラタ」という舞台で、ボートってどんな感じだろうと思って行ってみた。中に入ってしまうと、別に揺れたりもしない。昔の小劇場ってろくに椅子もないようなところも多かったのだけれど、ちゃんと椅子もあって、心地よい感じで。木製のボートなので、なんとなく包まれているような感じがして、それがすごくよかった。

●今日上演した「新版 小栗判官・照手姫」について
前に代官山でやったときにも観たのだけれど、あのときよりも引き締まったというか、充実した感じがあった。音楽がすごかった。皆さん、音楽をやりながら演じて、大変そうだなと思った。

前の時は終わりに桜吹雪が舞って、それがお祭りのような感じだった。あれはあれで祝祭的でよかった。今回はそれを押さえた演出で、本来の“鎮魂の物語”という要素が出ている。祝祭と鎮魂の両方の要素がある物語だとあらためて思った。

●「小栗判官」の魅力は?
この物語は今の価値観でいうと、ヤバイところがある。でも、破壊的なまでのエネルギーがあるというのがおもしろいなと思う。自分は女性や少女が犠牲的な苦労をして、それを称える物語が好きではないけれど。こういうふうに実際に生身の役者さんが演じられるのを観ると、苦労話ではあるけれど、エロスというか生命力にあふれていて、やっぱり感動してしまう。

●一番好きなシーンはどこ?
いろいろあるけれど、やっぱり小栗が復活するところが、一番好き。

●説経節に惹かれたきっかけは?
大学生の頃に、例えば「源氏物語」とかメジャーなものではなく、あんまり人に知られていないような物語をやりたいと思った。説経節は昔はとても流行したものだったが、ほとんど忘れられてしまっていた。そういうものに興味があった。

また、説経節にはあまりにも変な話が多い。残酷な話があったり、その反動ですごく栄えた話が合ったり、幅が広い。それは物語の古いパターンで、それが露骨にでてきて、自分にとっては新鮮だったし、おもしろかった。

●原作のあるものを描くときのポリシーはあるか?
原作に忠実に描きたいので、なるべく変えないように、ここは何が書いてあるのかを一生懸命考えて描くようにしている。

原作にもよるが、このキャラクターはこうだろうと考えながらやっているので、考証をしていく。例えば坂口安吾の「戦争と一人の女」に5年くらいかかったのは、戦時中の普通の人の生活は実はわからないせい。資料はたくさんあるだろうと思って、たかをくくっていたら、いざ調べると全然ない。
例えば、モンペがいつから着られるようになったのか、わからない。昭和20年になって空襲があるようになってから、着物では逃げられないので“モンペ”が登場してきた。いやいやながらモンペをはくようになったが、都会の奥様やお嬢様がいやがるので、当日の一流なデザイナーがオシャレなモンペをつくったりしている。そういうものを調べていくのが私は楽しみなのだけれど、原作物を描くときは考証は絶対に必要。

●これからどんな世界を描いていかれますか?
「家守綺譚」が終わったばかりで少し休んでいるところだけど、今度は近未来的な話をやりたいなと考えていた。ところが今の世の中があまりにもどこに行くのかわからない。「こんなこと起きないでしょう?」と思うことが起きていている。今、すごく難しい。いろいろ考えているが、現実にリンクすると、私の想像を超えた事態が出てくるとしれないと思うと、今、悩んでいるところです。

入口ポスター


ここからは私個人の舞台の感想です。やっとこの舞台が観られてよかったです。近藤先生の「説経 小栗判官」は白泉社、筑摩書房、KADOKAWAから3回とも版元を変えて刊行されていて、ボートシアターのことも後書きに書かれていたので観たかった。初演時は劇団の存在はもちろん知っていましたが内容がよくわかっておらず、「新版」過去2回の上演はタイミング合わずでした。今回、近藤先生ご自身も登壇されるので何はさておき行ってきました。

「説経 小栗判官」というか照手姫については神奈川県民にとってはよく知られた話ですし、ボートシアターの船が横浜の船上生活者の歴史に密接に関わっていることも知っていたので、この二つの組み合わせは面白いなとずっと以前から思っていました。

近藤先生の作品を読んでいるので、筋はわかります。この物語をどう上演するのだろうと思って観ていました。やはり仮面と音楽がとてもよかった。仮面だと長い時間を経て役者が変わっても同じ空気が出せるのかもしれない。音楽も舞台上に多くの装置をおけないので裏ではなく舞台上で全員で演奏しながら演じるという舞台はあるけれど、楽器までオリジナルというのはおもしろい。

このお話で好きなところは、登場人物が窮地に陥ったとき、解決が難しそうな相手を言葉の力で説得するところですね。後藤左衛門が照手姫から手紙の返事をもぎとるところ、小栗が鬼鹿毛を説得するところ、照手姫が萬屋の主人に遊女になることを断るところ、餓鬼阿弥を引くために暇をもらえるよう説得するところなど、気合いと道理で難しそうな相手を説き伏せて意思を貫くあたりのパワーが好きです。

また来年も上演されるかもしれませんね。
2025.11.30. 23:30 | イベントレポート

2025年10月05日

「家守綺譚」完結記念近藤ようこ個展「開く閉じる」を観に行ってきました

2025年10月4日、近藤ようこ先生の「家守綺譚」完結記念の個展「開く閉じる」を拝見するため、青山ビリケンギャラリーに言ってきました。前回の個展からちょうど1年ぶりです。今回も少しだけ雨が降っていました。外の札にまだ「COMING SOON」が貼られていました。初日らしさです。

タイトル:「家守綺譚」完結記念 近藤ようこ個展「開く 閉じる」
会場:ビリケンギャラリー
会期:2025年10月4日(土)〜10月19日(日)
日時:12:00〜19:00 月火休み ※10月13日(月)祝日営業



まずは「家守綺譚」原稿、モノクロ16枚。ページ数は単行本「家守綺譚」です。


1:第1話 サルスベリ(上)〔上〕p7 扉絵
2:第1話 サルスベリ(上)〔上〕p8
3:第1話 サルスベリ(上)〔上〕p9
オープニング3枚。物語の導入がすごく的確で、すっと世界に入っていけます。こういうときはディティールをキッチリつめて写実的に描かれているせいかと思いました。

4:第3話 都忘れ 〔上〕p39
5:第8話 ドクダミ(上)〔上〕p107
高堂の出てき方が、しとしととした雨の中を出来て初回と違ってちょっと雑な感じで「ガサガサ」と。次のシーンは雨のざぁざぁという雨の音を文字で連ねて、雨に襲われている感じが伝わってきます。とても陰鬱‥

6:第10話 カラスウリ〔上〕p142
高堂が出てきた夢の続きのような幻想的な絵。綿貫は家守(やもり)になっています。

7:第11話 竹花〔上〕p147
竹の葉に化されそうになった話の扉ですが、導いてくれたサルスベリの行灯でしょうか‥?

8:第19話 ススキ(上)〔下〕p15
ゴローが飛び回っていて、とてもかわいいです。

9:第19話 ススキ(上)〔下〕p17
10:第19話 ススキ(上)〔下〕p18

夜のシーンなので、トーンが多めです。近藤先生のトーンワークが見られます。この後、とてもきれいな月とススキの1枚絵が登場します。

11:第23話 ネズ(上)〔下〕p62
掲載時はその前の「野菊」と別れていたので、原稿ではページ冒頭にタイトルが入っています。

12:第23話 ネズ(上)〔下〕p63
お隣のおかみさんは何でもご存じです。

13:第24話 サザンカ〔下〕p87
14:第24話 サザンカ〔下〕p88

花嫁行列です。佐保ちゃんはどこにお嫁にいくのかな。こういう絵は近藤先生の真骨頂‥?


15:第26話 檸檬〔下〕p113
16:第26話 檸檬〔下〕p114
この絵もトーンが多様されています。汽車ですね。雪が降っていて曇天なんですね。マドンナ・ダァリヤの君の待ち人は龍?にお嫁に行った佐保ちゃんかな‥?佐保ちゃんは佐保姫ですよね。

ここからカラー作品になります。大きいものが8枚、小さいものが14枚だと思います。


「リボン」水彩・墨
カラフルなリボンとお花の中にいるネコが。菩薩のような女性のお顔。


「つぼみ」水彩・パステルマーカー
つぼみの中にいる女性。今回お花や草が多いのは「家守綺譚」の流れですね。


「髪」水彩・色鉛筆・墨
「緑の穴」水彩・パステル

右は今回の個展のメインイメージです。先生は「蔓(つる)」がお好きだそうです。


「豹」アクリル・パステル・墨


※左側の絵のタイトル、失念してしまいました。すみません。ここも蔓が。
「赤い糸」水彩
こちらも蔓。赤い糸で着ながら服を縫っています。


「毛皮」水彩・パステル
“ネコと一体化したら嬉しいだろうなぁ”とのこと。本当だ。一体化されています。

小作品 3枚。額は大きいです。
前回の兎や龍の流れと今回の葉っぱ

小作品 4枚。小作品はほとんど「水彩・パステル」か「水彩」です。
ネコやヤモリがいます。今回の主役は実はヤモリでは‥?

小作品 2枚。

小作品 2枚。

小作品 3枚。


「どうやってサルスベリが入れて〜って言ってるのを表現したらいいか‥」と悩まれたそうですが、作品では「入れて〜」って言ってるなって感じがしましたよね。

ギャラリー「家守綺譚」上下の本(ポストカード入り)や「家守綺譚」の原作者の梨木香歩先生との対談が掲載されている『波』もありました。ネットで予約してしまったので、ポストカード入りの本が買えなかったのは残念ですが、出版社の都合・書店の都合考えると致し方ありません。販促物つくっていただいただけでもありがたいです。

近藤先生もお元気そうでした。

ポストカード12枚セット。前回の「兎と鰐」の個展で展示された小作品シリーズにメイン画像を加えた12枚です。



「家守綺譚」の連載が始まったのは『波』2022年10月号ですから約3年ですね。通常のコミックなら途中1巻分がまとまったところで出版すると思うのですが、小説作品は完了してから出版されますので、上下巻に分けてまとめて刊行というのは文芸出版社らしいなと感じました。
連載中はカラーがないので想像していただけですが、表紙画がアップされたとき、淡いパステルカラーで、こういう感じだったのかと思いました。

もともと私は植物が意思をもって人間に働きかけるお話が好きでした。もちろん動物の話も好きです。動物は比較的わかりやすいですが、擬人化させずにそのままの姿で植物の意思を表現するのは、とてもたいへんだったと思います。


9月27日発売の新潮社『波』2025年10月号に梨木香歩先生との対談が掲載されていました。続きは11月号に載るそうです。梨木先生は作品の通りの優しい感じの方でいらしたそうです。近藤先生の二つくらい下で同年代で、お二人とも品の良い、知性あふれる感じで素敵な対談でした。

この対談の中で梨木先生が近藤先生の絵に「イメージに可塑性がある」とおっしゃっていて、私は「それだ!」と合点がいきました。あまりかっちりしていないから、読者がイメージを膨らませる余地がある。でも実はよく練られて綿密に計算されている絵なのだと思いました。

近藤先生の絵を見ていて「紙に描いた絵だな」と感じました。そんなことは当たり前のことですが、デジタル画の展示ですとやはり紙も線もシャープすぎて感じないのです。印刷物で配布するための漫画や絵を描くにはデジタルはとてもいいと思うのですが、印刷物で配布するためではない、飾るための「絵」はどうなるんだろう?と。例えば油絵のように重ねた絵の「風合い」は表現可能でも物理的には違うような気がします。それと同様にパステルや水彩も紙に物理的ににじませたものは、やはり出ないような気がしています。

近藤先生の個展でやさしい、「紙に描いた絵」をご覧になってください。
2025.10.05. 13:10 | イベントレポート

2024年10月06日

近藤ようこ先生の個展「兎と鰐」を拝見しにビリケンギャラリーに行ってきました


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2024年10月5日(土)、小雨降る中、青山のビリケンギャラリーに行ってきました。2年ぶりに開催された近藤ようこ先生の個展を拝見しましたのでレポートです。写真はご承諾をいただいていますが、タイトルや画材など、会場で急いでメモったのでミスがあるかと思います。ご指摘あればすぐに修正します。

今回のテーマは「兎(うさぎ)と鰐(わに)」です。先生が「鰐は兎に騙された鰐鮫のことです」と個展の紹介に書かれています。

「兎」は「古事記」の「因幡の白兎」のウサギです。一方「鰐」は、は虫類の「ワニ」ではなく「サメ(鮫)」のことです。古事記にアフリカのワニが出てくるわけはないので。「サメ」と呼ぶのは関東以北の地方が多くて関西では「フカ」、山陰地方、特に出雲地方では「ワニ」と呼ぶそうです。

兎と鮫がたくさんいます。また、たこや水中に住む妖怪や半魚人、イカかな?タコかな?の触手がたくさんありました。先生は触手を描いていると楽しくなってしまうそうです。

今回はマンガ原画はなく全部描きおろしの新作のカラー絵です。水彩、アクリル、鉛筆など。絵はB4やA3といった大きいものが10点、2枚組セットの中くらいのが2点、A5くらいの小さいものが11点の点数としては23点、絵としては25枚でした。

●大きな作品と2枚組セット


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右から

大1:「海坂(うなさか)」〔水彩・B3〕

リュウグウノツカイと女性。この女性は豊玉姫ですね。

豊玉姫と山幸彦のお話ですが、ざっくり言うと、お兄さんの海幸彦から借りた釣り針を落とした山幸彦が竜宮に降りて豊玉姫と出会い結婚。しばらくは幸せに暮らしていましたが、釣り針を探しに来たんだっけ?と豊玉姫の父の豊玉彦の力を借りて釣り針を見つけて地上に戻る。それを追って豊玉姫も地上に来る。でも子供を身ごもっていたので、中を覗かないようにと行って産屋にこもる。でも覗かないでと言われたら覗くのが世の常ですね。

山幸彦に本来の姿(鮫)を見られてしまった豊玉姫がそのことを恥ずかしく思い、海と陸を行き来して子育てすることを諦め、子供を陸に残すことにした。その際、海坂(うなさか・海と陸の境)を行き来できないようにふさいだ、というお話に基づいて、“ふさがれてしまった行き来できるところ”の表現だそうです。私には海の中にある海と陸の通り道のように見えました。

大2:「おこじょのロープ」

オコジョと女性。モフモフです。〔アクリル・墨・B3〕

アーミン(オコジョ)の毛皮は貴重で、ヨーロッパの王侯貴族が身につけたもの。
→こちらが参考になりました。「王族のマントの毛皮の正体は何?白地に黒の点?意外な正体とは?超解説!」

あの点々はオコジョの尻尾なのか。近藤先生は尻尾だけてなく本体もたくさんいる絵を描かれました。かわいい。でも一着につき1000匹使うとか。今はもう動物愛護の観点からなかなか考えられませんけれども、かつてはそういうものがあったということなんですね。


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右から

大3:「鮫人」〔水彩・アクリル・墨・B3〕
この前開かれたビリケンギャラリーの合同展で出されたのが鮫で、お気に召したそうです。額縁ですが、私には掛け軸の絵のように見えました。

大4:「うさぎ天」〔水彩・アクリル・パステル・A3〕
下が兎。上も兎ですが真ん中の顔だけ人間です。

中1:〔おこじょと赤いコートの女性〕
「おこじょのロープ」と同じモチーフ。つぶらな瞳のオコジョがいます。かわいい‥

中2:〔お魚と女性〕もう片方に植物(葉っぱ)があります。


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右から

大5:「二人」〔水彩・パステル・A3〕
ブルーの兎のかぶりものを頭にかぶった女性と頭以外を着ている人の組み合わせ。頭だけの女性が下着なのがエロいけれどかわいい。    

大6:「水怪」〔水彩・アクリル・A3〕
水の妖怪と書いて「水怪」。水に棲む妖怪なんでしょうけれど、両方とも女性ですね。水色の紙と首/腕の輪が目を引きました。

大7:「灯台」〔水彩・パステル・A3〕
灯台と魚人?やはり女性です。美しいですね。

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大8:うさぎ浴〔水彩・B4〕
今回の個展のメインとなった絵。
もふもふと気持ちよさそうに女の子が寝ています。もう一人の女の子はまだ目が覚めている‥けど靴下と靴が落ちてますね。でも兎の目が悪い目をしている‥

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向かいの壁なので 左からになります。

大9:うさぎ浴2 〔鉛筆・水彩・B4〕
前の「うさぎ浴」の続き

大10:豹妓〔水彩・アクリル・パステル A3〕
ヒョウ柄なのに触手の女性二人です。触手がお好きなことがよく伝わってきます‥

●小作品シリーズ
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兎、鮫、タコ/イカ、鳥、チンアナゴ‥の女性。触手柄のお着物やバニーガール、兎を抱いた女の子‥
描かれているのは女性と動物と想像上の動物ですね。

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近藤先生もお元気そうで、よかったです。

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雨がふっていたので、外には濡れた兎がいました‥。ちょっと寂しげ。

近藤ようこ個展「兎と鰐」
会期:2024年10月5日〜10月20日 12:00〜19:00(月火休み ※10月14日(月)祝日営業)
会場:ビリケンギャラリー(東京都港区南青山5-17-6-101)
2024.10.06. 12:19 | イベントレポート

2024年09月29日

近藤ようこ先生の個展「兎と鰐」が開催されます

つれづれに2024年10月5日(土)から20日(日)に近藤ようこ先生の個展「兎と鰐」が青山ビリケンギャラリーで開催されます。2022年の「つれづれに」からちょうど2年ぶりですね。

兎と鰐…鰐は兎に騙された鰐鮫のことです。
山のものと海のもの、モフモフのものとツルツルガサガサのもの、可愛いものと怖いもの、狡いものと優しいもの。いろいろ描きました。
近藤ようこ



今回は動物‥想像上の生き物‥などが多いのでしょうか?どんなものが現れるのでしょうか?


近藤ようこ個展「兎と鰐」
会期:2024年10月5日〜10月20日 12:00〜19:00(月火休み ※10月14日(月)祝日営業)
会場:ビリケンギャラリー(東京都港区南青山5-17-6-101)
タグ:個展 原画展
2024.09.29. 11:05 | イベント

2024年04月05日

日本近代文学館「2023年の声のライブラリー」近藤ようこ×酉島伝法


2024年3月30日より配信が開始された、日本近代文学館「2023年の声のライブラリー」に近藤ようこ先生と酉島伝法先生の対談が収録されています。有料1,200円で1週間の視聴期限となっています。vimeoの公式アプリの「オフラインリスト」に追加してダウンロードしても、期限内だけの視聴です。

2023年の声のライブラリー 動画配信開始

日本近代文学館「2023年の声のライブラリー」

「声のライブラリー」は日本近代文学館が1995年から開催している文学者の自作朗読会・対談のイベントです。年4回開かれていましたが、コロナ禍になり、2020年より無観客で行ったものを配信するようになりました。4名の文学者が今一番会いたい文学者をそれぞれ招き、自作朗読と対談を行った記録映像集になっています。

これに近藤ようこ先生が指名されましたが、近藤先生が「わたしは文学者ではないので」と戸惑われたのはよくわかります。それで、小説家で絵も描かかれる酉島伝法先生をお招きになられた。酉島先生は小説家ですが、もともとデザイナー/イラストレーターなので、絵の方こそ先にプロだった方です。日本SF大賞を2度受賞された気鋭のSF作家です。

今回のものは2023年10月31日・11月1日、無観客にて日本近代文学館講堂にて収録されたものだそうです。全体で1時間48分となっています。「各回、それぞれの講師による30分程度の朗読の後、約1時間の対談」とありましたが、近藤先生は作品が漫画なので「夢十夜」の後書きを読まれました。なので朗読が20分くらいでしょうか。残り1時間30分丸々対談です。

○話題に出た作品
近藤先生の作品「夢十夜」「高丘親王航海記」「五色の舟」「ルームメイツ」「戦争と一人の女」「桜の森の満開の下」
酉島先生の作品「皆勤の徒」「彗星狩り」「宿借りの星」「幻視百景」「金星の蟲」「旅書簡集 ゆきあって しあさって」

近藤先生は以前から小説を漫画化することにあたって、読者一人一人のイメージを漫画化の絵で規定してしまうことに悩みを抱えておられ、最初に小説を読んでから漫画を読んで欲しいと繰り返しおっしゃっています。酉島先生は自分の作品の中で「ここは文章で想像して欲しい」「ここは絵で表現したい」と、場合のによって表現方法を変えることが出来るという希有な才能の持ち主です。そういう方とご一緒なので「絵と文章」の関係について興味深いお話がうかがえます。

具体的に近藤先生の作品の中で「これは絵があって助かった」と酉島先生が指摘される場面もあります。酉島先生ご自身が「絵があって助かった」と言われることもあるようです。とにかく難解なのです…

動画の中では、近藤先生の作品の中の絵が多数登場します。酉島先生も近藤先生の作品についてよくご存じで、たくさん質問してくださってます。話題にあがった場面のキャプチャーが多数入り込んでいます。他の方の対談ではこういうことはないのではと推察します。

小説を漫画化することの難しさ、おもしろさについて。文章の情報量が少なすぎる場合、絵にするのは難しいけれど何とか絵にしてしまうこと。漫画化しにくい作品としやすい作品の話などもされています。

それぞれの先生の作品について苦労されたところ、意図していたところなどたくさんお話されているので、ファンは是非視聴した方がいいと思います。近藤先生が「戦争と一人の女」を描くときに大量の資料を探して描いたにもかかわらず「押し付けがましさが全くない」と酉島先生がおっしゃると「ここまでやって調べたのよ、というのはなるべく出さないようにした」と近藤先生が返していて、近藤先生の作品はそうなんです。一貫して押しつけがましくない!と思いました。
最後に、お互いの作品の共通点についてもお話されています。お二人の作品に共通点があるとはちょっと意外でした。

あまり具体的に内容を書くことは有料コンテンツなのではばかられますが、以下に動画の中でのインデックスのような扱いのテロップを並べておきます。なんとなく雰囲気が伝わればと。

漫画「夢十夜」
小説を漫画化することへの逡巡
小説を漫画化すること
文章と絵を両方かく酉島伝法
酉島伝法「旅書簡集 ゆきあって しあさって」
世界を最適な表現で体感してもえらう
絵と文章の組み合わせ
挿絵から描いた「皆勤の徒」
漢字は挿絵、さらに装飾したのが造語
造語を英訳
H.R.ギーガー 映画「エイリアン」のクリーチャーデザイナー
離れても離れられないもの
太陽が歩いてくる
挿絵を入れるか入れないか
漫画化の難しさ
津原泰水原作「五色の舟」
澁澤龍彦原作 近藤ようこ漫画「高丘親王航海記」
コマ撮りアニメを想像しながらかいた作品
酉島伝法「宿借りの星」
酉島伝法「幻視百景」
絵と文章が混ざったイメージを作りたい
酉島小説は読むのに時間がかかる
「高丘親王航海記」を描いているとき
近藤ようこ「ルームメイツ」
近藤ようこが描くお年寄りが好き
小説にも漫画化できるものとそうでないものがある
坂口安吾原作 近藤ようこ漫画「戦争と一人の女」
小説を漫画化するきっかけ
坂口安吾作品は読みにくい
坂口安吾「桜の杜の満開の下」
リアルに恐ろしく描きたくない
グロテスクなものはグロテスクではない
人間を描いていきたい
「金星の蟲」と「知らない顔」の類似点
「金星の蟲」と「皆勤の徒」
人間以外の静物がどう世界を捉えて生きているのかを知りたい

最初に1回通しで見たのですが、さらっと流れてしまって頭の中に入らなくて。特に酉島先生の方は私が作品や内容をよく存じ上げないので。それで全文書き起こししてみました。もちろん有料コンテンツなので公開はしません。やっぱり配信は便利だなぁと思いましたが、1週間しかないので、焦りつつちょっとずつやってみました。いろいろ検索してみたりして作品について、登場人物について調べることができました。宇野亜喜良先生の方の「五色の舟」を読んでみたりもしましたし、酉島先生の作品について知ることもできたし、もちろん近藤先生の作品にまつわるお話も聴くことが出来て有意義な動画でした。
2024.04.05. 23:12 | イベントレポート